解雇理由および整理解雇

解雇理由は下記の4つの類型にわけることができます。

類型1:非違行為やミス、業務命令違反を理由とする解雇

この類型の解雇は、労働者の職務懈怠、勤怠不良(無断欠勤、遅刻など)、業務命令違反、職場規律違反などを理由に行われるものです。
就業規則上、これらの事由が懲戒解雇事由として列挙されていたとしても、懲戒解雇の相当性まで認められないという場合には、あえて懲戒解雇とせずに普通解雇とすることもよく行われています。

この類型の解雇の場合、1度だけ勤怠不良や軽微な職場規律違反が見られたとしても、
解雇の合理性までは認められません。
些細な非違行為や業務命令違反、職場規律違反があったとしても、事前に会社から注意や警告など労働者本人に改善の機会が与えられていない場合には、解雇権濫用として無効と判断される可能性が高いといえます。

類型2:能力不足、成績不良、適性欠如を理由とする解雇

この類型の解雇の場合、再三の指導・教育や研修機会の付与によっても容易に是正されないこと、及び業務遂行に支障が生じていることを要すると考えられています。
過去の裁判例の中には、人事考課の低さを認めながらも、会社側が教育・指導や配置転換の措置を尽くしていなかったことを理由に、解雇を無効とした事例があります。

類型3:傷病による労働能力の欠如、労働能力の低下を理由とする解雇

傷病を負ったり、健康状態の悪化が認められたとしても、直ちに解雇事由となるわけではありません。
この点、解雇が認められるには、債務の本旨に従った労働義務の履行が期待できない程度に重大なものであったかどうかが重要となります。

この判断はケースバイケースであり、一般的な判断基準はありません。
例えば、現在の業務への就労が困難であったとしても、他に就労可能な業務があり、労働者が当該業務への就労の意思を示していれば、会社側はその業務への配置転換をして解雇を回避するよう努力することが求められています。

また、多くの企業では、労働者の業務外傷病による欠勤が一定期間以上の場合にはこれを休職とし、休職期間満了時点で復職できない場合には「解雇」「自動退職」とする旨の就業規則の規定を置いています。
この場合、休職措置を講じないまま直ちに解雇をすれば、解雇無効となる可能性は高いものと言えます。

類型4:整理解雇

上記の3類型は、いずれも労働者側に何らかの原因がある場合でしたが、この類型の整理解雇は、もっぱら経営上の理由により人員削減を目的に行われる解雇をいいます。

このように整理解雇は労働者側に何ら帰責事由がないにもかかわらず行われることから、判例上、一般の解雇以上に厳格な要件を課しています。
すなわち、整理解雇については、
1.人員削減の必要性があること、
2.使用者が整理解雇回避のための努力を尽くしたこと(解雇回避努力義務)、
3.被解雇者の選定基準及びその選定が公正であること(人選の合理性)、
4.労働組合や労働者に対して必要な説明・協議を行ったこと(説明協議義務)、
という「整理解雇4要件」に従って、解雇の合理性について判断を行うものとしています。

使用者にとっては、この4要件をクリアすることは非常にハードルが高いと言わざるを得ません。
例えば、解雇回避義務については、整理解雇を行う前に、希望退職の募集を行ったか、配転や出向などの解雇を回避する措置を取ったのかが問われることとなります。

従って、この類型に該当する場合には、この4要件について詳しく分析・検討する必要があります。

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