マイナンバー法の具体的な準備方法とスケジュール

(1)平成28年1月までには準備完了を

まず、平成27年(2015年)10月に、個人番号の通知が開始され、その後、平成28年(2016年)1月より、税・社会保障・災害対策分野の行政手続において、個人番号の利用が開始されます。

実際、民間事業者が個人番号を記載した書類の作成を本格的に開始するのは、税分野でいえば、平成28年(2016年)の年末調整や源泉徴収票を作成する平成28年の年末頃からになるものと思われます。

ただし、平成28年の年度途中であっても、社内で中途退職者が出た場合には、源泉徴収票の作成や雇用保険の手続において個人番号を記載した書類の作成が必要となります。

したがって、企業経営者としては、平成28年(2016年)1月から個人番号の取扱いが開始されるものと考えておく必要があります。

このように、実務上、平成28年(2016年)1月から個人番号を利用した業務が想定される以上、企業経営者としては、平成27年(2015年)の年末までには企業として取り得る準備作業を終えておく必要があります。

(2)マイナンバー法施行に向けた準備スケジュール

SN00019

(3)最低限取り組んでおくべき5項目の準備事項

事業者として、平成27年中に、最低限取り組んでおくべき準備事項としては、以下のとおりです。

① 個人番号を利用する事務の洗い出し作業
② 社内システムの確認・改修作業
③ 安全管理措置の策定、諸規程やマニュアルの見直し作業
④ 委託先の検討、委託契約の見直し作業
⑤ 業務フロ-の策定と従業員への研修

① 個人番号を利用する事務の洗い出し作業

既に、本ホームページで述べているとおり、マイナンバー法が個人番号の利用範囲として認められているのは、税・社会保障・災害対策分野での事務に限定されていますが、現時点において、政府の方でマイナンバーの対応が必要と考えられている帳票類は、300~400種類にも及ぶものと想定されています。

そこで、まずは、社内のどのような事務手続にマイナンバー法が適用されるのか、その洗い出し作業を行う必要があります。この洗い出し作業は、思ったよりも時間がかかると思われますので、早めに着手しておいた方が良いでしょう。

② 社内システムの確認・改修作業

上記①の洗い出し作業を終えた後は、関連する社内システムの改修が必要かどうかを検討することになります。

中小企業においても、給与経理システムや取引先の管理システム、不動産管理システムなど、多くの社内システムを使用していると思われますが、これらのシステムにおいて、マイナンバー法に対応するためにシステム改修が必要となる場合があります。また、外部サ-ビスを使用している場合には、そのベンダ-において当然マイナンバー法への対応を行っているはずですが、ベンダ-とのシステム連携のために社内システムの改修が必要となる場合も考えられますので、システム改修の要否については必ず確認しておく必要があります。

また、マイナンバー制度の導入にあたっては、各行政機関で使用される帳票類の書式が変更されることになります。例えば、給与所得の源泉徴収票については、個人番号の記載欄が設けられるため、現行のA6サイズからA5サイズに変更されるようです。そこで、各企業においては、社内で使っているプリンタ-が帳票類のサイズ変更に対応しているかどうかについても再度確認しておく必要があります。

③ 本人確認措置・安全管理措置の策定、諸規程やマニュアルの見直し作業

既に上記で述べたように、マイナンバー法においては、個人番号を取り扱う事業者に対し、個人番号を受け取る際の本人確認措置や個人番号等の安全管理措置を義務づけています。

そこで、民間事業者においては、具体的な本人確認措置の手順や個人番号の安全管理措置を策定するとともに、これに関連して、従来の業務フロ-や社内の規程・マニュアル類を見直しておく必要があります。

④ 委託先の検討、委託契約の見直し作業

マイナンバー法では、個人番号等の取扱い事務を外部に委託する場合には、委託先において、委託者自らが果たすべき安全管理措置と同等の措置が講じられるよう、委託先に対して必要かつ適切な監督を行わなければならないものとされています。

したがって、委託先においてマイナンバー法の求める十分な安全管理措置がなされているかをチェックするとともに、これらの点を踏まえた委託契約の見直し作業にも着手すべきものと言えます。企業経営者としては、ただ漫然と、従来の委託先に任せたままにしておくことは、場合によっては、マイナンバー法の求める適切な監督を行っていないとして、損害賠償責任を追及されるといった事態を招くおそれもありますので、十分留意する必要があります。

⑤ 業務フロ-の策定と従業員への研修

民間事業者においては、マイナンバー法が施行される平成28年(2016年)1月までに、いつ、どのようなタイミングで、どのように個人番号を取得し、どのように管理していくのかを具体的にマニュアルを策定するとともに、適切な運用ができるよう従業員に周知する体制(マニュアルの作成や研修・教育の機会を提供する等)を整備しておく必要があります。

(4)早急に準備事項への着手を!

以上のとおり、既にマイナンバーの施行まで1年を切っていることから、何も準備をしていない事業者においては、早急に準備に着手する必要があります。

特に、平成27年内にやっておかなければならない準備事項は、以上のとおり多岐に及びますので、各企業のトップが責任をもって、戦略的に、トップダウンで準備に取りかかる必要があると言えます。

【マイナンバー関連記事】
マイナンバー法を知っていますか?
マイナンバー法の概要
マイナンバー法の具体的な準備方法とスケジュール

法人向け関連ページ一覧

法人向けトップ
就業規則の改訂
残業代請求に対する対策
賃金カットの方策
有期労働契約の締結のポイント
労働者派遣法改正のポイント
マイナンバー法を知っていますか?
マイナンバー法の概要
マイナンバー法の具体的な準備方法とスケジュール

 

労働問題解決のため、お早めに弁護士にご相談ください

野中法律事務所では、労働者側及び使用者側の労働問題に豊富な経験を有する15年目の弁護士がお客様のご相談ひとつひとつに丁寧に対応します。
土日祝日や夜間の法律相談にも対応いたします
初回相談は30分無料です。一日も早い解決のために、お早めにご相談ください。

労働問題弁護士相談

労働問題を弁護士に相談サイド

このページの先頭へ