退職勧奨のよくある質問


Q1.会社から違法な退職勧奨を受けたので、慰謝料を請求することはできますか?

A.使用者から退職を半ば強制され、その手段・方法が著しく反社会的な場合(暴力、監禁、人権を侵害するような態様による場合)など、よほどの事情がない限り、慰謝料請求が認められることはないといえます。

【解説】
使用者による退職勧奨に応じるか否かは労働者の自由であり、退職勧奨は、労働者に自発的な退職意思の形成を働きかける説得活動と言えます。
使用者が社会的相当性を逸脱した態様で、労働者の自由な意思形成を妨げ、あるいは名誉感情を害するような場合には不法行為を構成しうるとされています(最高裁昭和55年7月10日判決・下関商業高校事件)。

そこで、退職勧奨の対象となった社員がこれに消極的な意思を表明したにもかかわらず、再度使用者が退職勧奨に応じるよう説得したり、翻意を促したりすることは違法性と言えるでしょうか?

日本アイ・ビー・エム事件(東京地裁平成23年12月28日判決)では、「被告は、退職勧奨の対象となった社員がこれに消極的な意思を表明した場合であっても、それをもって、被告は、直ちに、
退職勧奨のための説明ないし説得活動を終了しなければならないものではなく、
被告が、当該社員に対して、被告に在籍し続けた場合のデメリット、退職した場合のメリットについて、更に具体的かつ丁寧に説明又は説得活動をし、また、真摯に検討してもらえたのかどうかのやり取りや意向聴取をし、退職勧奨に応ずるか否かにつき再検討を求めたり、翻意を促したりすることは、社会通念上相当と認められる範囲を逸脱した態様でなされたものでない限り、当然に許容されるものと解するのが相当であり、たとえ、その過程において、いわば会社の戦力外と告知された当該社員が衝撃を受けたり、不快感や苛立ち等を感じたりして精神的に平静でいられないことがあったとしても、それをもって、直ちに違法となるものではない」という判断を示しています。

さらに、上記判決では、「当該社員が・・・退職勧奨に応じない選択をしたこと、更なる説明ないし説得活動を受けたとしても退職勧奨に応じない意思は堅固であり、この方針に変更の余地のないこと、したがって、退職勧奨のための面談には応じられないことをはっきりと明確に表明し、かつ、被告(当該社員の上司)に対してその旨確実に認識させた段階で、初めて、被告によるそれ以降の退職勧奨のための説明ないし説得活動について、任意の退職意思を形成させるための手段として、社会通念上相当な範囲を逸脱した違法なものと評価されることがあり得る、というにとどまる」とされ、再度の退職勧奨が直ちに違法とまではいえないという立場を明確にしています。

したがって、労働者としては、再度の退職勧奨を受けたからといって、直ちに慰謝料を請求できるというものではありません。
ただ、労働者としては、退職勧奨に応じる意思がない場合には、退職勧奨には応じられないこと、その方針に変更の余地のないこと、退職勧奨のための面談には応じられないこと等を明確に会社側に伝えておくことは非常に大切であるといえます。

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