労働審判の特徴~迅速性
労働審判の良いところは、なんといっても「早期解決」(迅速)という点にあります。
労働審判が導入されて10年以上経過しましたが、労働審判の平均審理期間(申立から終局日)は75日(平成21年2月末現在、最高裁行政局調べ)という司法の世界では驚異的なスピードで紛争解決に至っています。
他方、労働事件の通常訴訟については、手続終結までに平均12.4ヶ月(平成19年)かかっており、また、緊急性を要する労働仮処分などの保全事件についても、仮処分決定あるいは和解成立に至るまでに3ヶ月~6ヶ月程度かかっているようです。
したがって、これらの手続きと比較しても、非常にスピーディーであることが分かると思います。実際、過去の労働審判の経験から言っても非常に迅速に解決に至っており、1回目の期日で和解が成立することすらあります。
労働者側の立場からすると、少しでも早く解決に至るということは非常に大きなメリットであるといえます。
労働審判の特徴~金銭解決を中心とした和解的解決
通常の民事訴訟は、厳格な主張や立証活動によって権利関係を確定していきますが、この労働審判は、法律を踏まえつつ(専門性)、より実情に即した解決(柔軟性)を図ることを目指しています。
例えば、従業員が解雇された場合、従業員は不当解雇を主張して解雇無効を主張するわけですが、実際は解雇を言い渡した会社ではもう働きたくないというのが本音であり、そのような場合には、解雇を撤回して復職させるよりも金銭解決の方ががふさわしいといえます。
労働審判が始まる前には、通常の訴訟でも事実上金銭解決の和解が行われていましたが、労働審判ではこのような柔軟な解決ができるよう手続が整備されました。
裁判所の統計資料によれば、平成18年の労働審判開始以降の終局事件総数4,329件のうち、全体の約7割にあたる3,001件で調停(和解)が成立し、和解ができずに審判にまで至ったものはわずか825件(19.1%)にすぎません。
さらに、審判に至った事件のうち、当事者から異議申立がなされて訴訟に移行した事件は520件(63%)で、全体の事件数の12%にすぎません。
このように、労働審判においては、全体の88%が労働審判の手続によって最終的な解決に至っており、他の訴訟手続や行政機関で行われる紛争あっせん手続などでは見られない高い解決率を誇っています。
また、その解決手法も、金銭的解決が中心となっていることから、金銭解決を望む労働者側にとっては、とても有効な手続きであるといえます。
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